中小企業診断士二次試験事例2(令和01)問3
与件文(問題文)はこちら
第3問(配点50点)
B社社長は2019年11月以降に顧客数が大幅に減少することを予想し、その分を補うために商店街の他業種との協業を模索している。
(設問1)
B社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて100字以内で助言せよ。
解答上の留意点
(1)「助言せよ」 ⇒ 戦略の助言 = 誰に、何を、どのように行うか
(2)「減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客」 ⇒ 誰に
(3)「協業を通じた新規顧客のトライアル」 ⇒ 何を
(4)「どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得」 ⇒ どのように、行うか
(5)「100字以内」 ⇒ 100字を超えてはいけないことに注意
解答の手順
(1)誰に
※1. 与件文の第七段落「B社社長は、これまで自宅から近いことを理由に来店していた顧客が大幅に流出することを予想した」 ⇒ 減少するであろう顧客
※2. 与件文の第六段落「デザイン重視の顧客と住宅地からの近さ重視の顧客は半数ずつとなっている」 ⇒ 減少するであろう顧客分を補える、協業を通じた新規顧客は、デザイン重視の顧客
(2)何を ⇒ 協業を通じた新規顧客のトライアル
※1. 与件文の第三段落「Yさんが商店街の貸衣装チェーン店で勤務していた経緯もあり、商店街の他店ともスムーズに良好な関係を構築することができた」 ⇒ 商店街の他店と協業の可能性あり
※2. 与件文の第三段落「2人が施術すれば満員となるような狭いスペース」 ⇒ 売り上げに限界
(3)どのように ⇒ どのような協業相手と組んで
※1. 与件文の「商店街は県内では大規模であり、週末には他地域からも来街客がある。中心部には小型百貨店が立地し、その周辺には少数ではあるが有名ブランドの衣料品店、宝飾店などのファッション関連の路面店が出店している。中心部以外には周辺住民が普段使いするような飲食店や生鮮品店、食料品店、雑貨店、美容室などが出店している。」 ⇒ 商店街は来街客が多く、少数ながらファッション関連の路面店が、中心部以外には美容室がある
(4)どのように ⇒ どのような顧客層を獲得すべき
※1. 与件文の第二段落「在職中から季節感の表現に定評があり、社長が提案した季節限定商品のパッケージや季節催事用のPOPは、同社退職後も継続して利用されていた」⇒ 協業店への来店目的にマッチしたネイルの写真とお試し価格を記載したPOPを協業店に置いてもらう
※2. 与件文の第二段落「Yさんは美大卒業後、X市内2店を含む10店舗を有する貸衣装チェーン店に勤務し、衣装やアクセサリーの組み合わせを提案するコーディネーターとして従事した」 ⇒ X市内に2店ある貸衣装チェーン店でまずはトライアル?
(5)解答例
※1. 解答例(100文字)⇒ まずはX市内の貸衣裳チェーン店と協業し、協業店の利用目的にマッチしたネイルの写真とお試し価格を記載したPOPを配布してもらい、自社の強みであるデザイン力重視の新顧客にアピールし、競合との差別化を図る。
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(設問2)
協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて100字以内で助言せよ。
解答上の留意点
(1)「助言せよ」 ⇒ 戦略の助言 = 誰に、何を、どのように行うか
(2)「協業を通じて獲得した顧客層」 ⇒ 誰に
(3)「リピートにつなげるために」 ⇒ 何を
(4)「初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべき」、ただし「価格プロモーションの提案」を除く ⇒ どのように、行うか
(5)「100字以内」 ⇒ 100字を超えてはいけないことに注意
解答の手順
(1)誰に ⇒ 協業を通じて獲得した顧客層
(2)何を ⇒ リピートにつなげるために
(3)どのように ⇒ 初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべき
※1. 与件文の第六段落「特に初来店の際に、顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案し、そのデザインに対する評価が高ければ、固定化につながる例も多い」 ⇒ 顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案
※1. 与件文の第六段落「この際には社長やYさんが前の勤務先で培った提案力が生かされた」 ⇒ 強みを生かす
※2. 与件文の第六段落「顧客の大半は従業者と同世代」 ⇒ 共有できる情報が多いので個人的な信頼関係を築きやすい
※3. 与件文の図1全国とX市の年齢別人口構成比 ⇒ X市は全国より40代の人口が多い
(4)提案理由
※1. 与件文の第五段落「ジェルネイルは爪の成長に伴い施術から3週間~1カ月の間隔での来店が必要になる。つまり固定客を獲得できれば、定期的な来店が見込める。」 ⇒ 顧客の固定化が図りやすい。囲い込みは満足と信頼関係
(5)解答例
※1. 解答例(98文字)⇒ 前の勤務先で培った提案力を生かして顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案し、顧客からの満足と信頼関係を得られれば、同世代が多い顧客の固定化と囲い込みが望めるからである。
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