中小企業診断士二次試験事例4(令和01)問2

与件文(問題文)はこちら

第2問(配点 25 点)


D 社のセグメント情報(当期実績)は以下のとおりである。

(設問 1 )
事業部および全社(連結ベース)レベルの変動費率を計算せよ。なお、%表示で小数点第 3 位を四捨五入すること。

解答上の留意点

(1)事業部および全社(連結ベース)レベルの変動費率を計算 ⇒ 全社(連結ベース)= 合計欄のこと

(2)%表示で小数点第 3 位を四捨五入

解答の手順

(1)変動費率=変動費÷売上高一次試験レベルの単純な計算問題

(2)建材事業部の変動費率 ⇒ 4,303÷4,514=0.95325… × 100% = 95.33%

(3)マーケット事業部の変動費率 ⇒ 136÷196=0.69387… × 100% = 69.39%

(4)不動産事業部の変動費率 ⇒ 10÷284=0.03521… × 100% = 3.52%

(5)全社の変動費率 ⇒ 4,449÷4,994=0.89086… × 100% = 89 09%

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(設問 2 )
当期実績を前提とした全社的な損益分岐点売上高を計算せよ。なお、(設問1)の解答を利用して経常利益段階の損益分岐点売上高を計算し、百万円未満を四捨五入すること。また、このような損益分岐点分析の結果を利益計画の資料として使うことには、重大な問題がある。その問題について 30 字以内で説明せよ。

解答上の留意点

(1)全社的な損益分岐点売上高を計算を計算 ⇒ 全社(連結ベース)= 合計欄のこと

(2)(設問1)の解答を利用して経常利益段階の損益分岐点売上高を計算 ⇒ (設問1)の解答 = 89.09% 経常利益が0になる損益分岐点売上高を計算のこと

※通常、損益分岐点売上高とは営業利益がゼロのときの売上高のことだが、本問では注釈で「セグメント利益は経常段階の利益である」とされているので、

損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)の公式をそのまま使える。

(3)百万円未満を四捨五入

(4)「このような損益分岐点分析の結果を利益計画の資料として使うことには、重大な問題がある。その問題について 30 字以内で説明せよ」 ⇒ 全社的な損益分岐点分析の結果を利益計画の資料にすると重大な問題がある

解答の手順

(1)経常利益段階の損益分岐点売上高

※1. 全社的な固定費は、上記表から474百万円であることがわかる。

※2. 損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)一次試験レベルの単純な計算問題

※3. 損益分岐点売上高=474 ÷(1-89.09%)= 474 ÷(1-0.8909)= 4,344.6… ≒ 4,345百万円

(2)問題について 30 字以内で説明

※1. 与件文から「問題」点を拾う ⇒ 使えそうな記述なし

※2. (設問1)の解答から分析する ⇒ 全社的には黒字だが、セグメント(=本問の場合は事業部)単位では4セグメント中赤字が3、1セグメントだけで赤字をカバーする利益を出している。このため、全社ベース、つまり全体の平均で利益計画を立てると、個々のセグメントの赤字構造が無視され、黒字前提の計画になるため、赤字セグメントでは実現困難な計画となる可能性が高い ⇒ これを30字以内で記述する

※3. 解答例(文字数30) ⇒ 赤字セグメントの赤字構造が無視され実現困難な計画の可能性大。

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(設問 3 )
次期に目標としている全社的な経常利益は 250 百万円である。不動産事業部の損益は不変で、マーケット事業部の売上高が 10 %増加し、建材事業部の売上高が不変であることが見込まれている。この場合、建材事業部の変動費率が何%であれば、目標利益が達成できるか、⒜欄に答えよ。⒝欄には計算過程を示すこと。なお、(設問 1 )の解答を利用し、最終的な解答において%表示で小数点第 3 位を四捨五入すること。

解答上の留意点

(1)次期に目標としている全社的な経常利益は 250 百万円 ⇒ 全社的な経常利益= 上表「セグメント利益」の「合計」欄の71を250に置き換えること…(イ)

(2)マーケット事業部の売上高が 10 %増加 ⇒ マーケット事業部の売上高が196×1.1=215.6になる…(ロ)

※マーケット事業部の変動費も増加 ⇒ 変動費率は上表のマーケット事業部の変動費136 ÷ マーケット事業部の売上高196=0.693877…。これに(ロ)を掛けて0.693877… × 215.6=149.599… になる…(ハ)

(3)不動産事業部の損益は不変で、マーケット事業部の売上高が 10 %増加し、建材事業部の売上高が不変であることが見込まれている ⇒ 上表の数字を使う

(4)建材事業部の変動費率が何%であれば、目標利益が達成できるか 目標利益は250、建材事業部の変動費率をαとする

(5)最終的な解答において%表示で小数点第 3 位を四捨五入

解答の手順

(1)上記表から、売上高ー変動費ー固定費=セグメント利益であることがわかる。

(2)上記表から、全社の売上高は 4,514 + 196 × 1.1 + 284 = 5,013.6

(3)上記表から、全社の変動費は売上高5013.6 ー 固定費474 ー セグメント利益250 = 4,289.6

(4)建材事業部の変動費は、全社の変動費4,289.6 ー マーケット事業部の変動費149.599… ー 不動産事業部の変動費10 = 4,130.0001… ≒ 4130

(5)建材事業部の変動費率は、建材事業部の変動費4,130 = 建材事業部売上高4,514 × αα = 4,130 ÷ 4,514 = 0.9149313… ≒ 91.49%

(6)⒜欄 91.49%

(7)⒝欄 全社の売上高は 4,514 + 196 × 1.1 + 284 = 5,013.6 。 全社の変動費は売上高5013.6 ー 固定費474 ー セグメント利益250 = 4,289.6 。全社の変動費4,289.6 ー マーケット事業部の変動費149.599… ー 不動産事業部の変動費10 = 4,130.0001… ≒ 4130 。 (5)建材事業部の変動費率は、建材事業部の変動費4,130 = 建材事業部売上高4,514 × α 。α = 4,130 ÷ 4,514 = 0.9149313… ≒ 91.49%

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