中小企業診断士二次試験事例1(令和01)問1

与件文(問題文)はこちら

第1問(配点20点)

A社長がトップに就任する以前のA社は、苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100字以内で答えよ。

解答上の留意点

(1)「A社長がトップに就任する以前のA社について」 ⇒ 問われている時代に注意

(2)「苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた」問われている事業に注意

(3)「それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由」記述する理由はひとつであることに注意

(4)「100字以内」 ⇒ 100字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. 結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由

(1) 与件文の第三段落「1980年代半ばに公企業の民営化が進んだ頃から向かい風が吹き始め、健康志向が強まり喫煙者に対して厳しい目が向けられるようになって、徐々にたばこ市場の縮小傾向が進んだ。さらに、受動喫煙問題が社会問題化すると、市場の縮小はますます顕著になった。しかも時を同じくして、葉たばこ生産者の後継者不足や高齢化が急速に進み、葉たばこの耕作面積も減少するようになった。こうした中で、A社の主力事業である葉たばこ乾燥機の売上も落ち込んで、A社長が営業の前線で活躍する頃には経営の根幹が揺らぎ始めていた」 ⇒ 衰退市場を事業の対象にした

(2)与件文の第四段落「自らが先頭に立って自社製品のメンテナンスを事業化することに取り組んだ。しかし、それはビジネスとして成り立たず、売上減少と費用増大という二重苦を生み出すことになってしまった」 ⇒ 売れない市場に投入した自社製品のメンテナンスを事業化し売上減少と費用増大という結果になった

(3)与件文の第四段落「自社の技術を見直し、農作物や加工食品などの乾燥装置など葉たばこ乾燥機に代わる新製品の開発に着手した。」⇒ メンテナンス事業では、この見直しを何もせず実施した事業化に向けた準備不足

(4)与件文の第四段落「新しい事業に取り組むことを、古き良き時代を知っている古参社員たちがそう簡単に受け入れるはずもなかった。」 ⇒ 全社的な取組み体制を構築していなかった事業化に向けた準備不足

※2. 解答例(100/100文字)⇒ 衰退する市場をターゲットにする自社の立ち位置、自社の強み等を見直すSWAT分析、新事業に消極的な組織風土の改革、新事業の採算性分析及び全社的組織体制の構築など事業化に向けた準備不足が最大の理由である。

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