中小企業診断士二次試験事例1(令和01)問5

与件文(問題文)はこちら

第5問(配点20点)

A社長は、今回、組織再編を経営コンサルタントの助言を熟考した上で見送ることとした。その最大の理由として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。

解答上の留意点

(1)「最大の理由」最も大きな理由、なのでひとつだけ記述する

(2)「どのようなことが考えられるか」⇒ 与件文から記述を拾う事ができない場合が多いので、推論で記述する覚悟が必要

(3)「組織再編を経営コンサルタントの助言を熟考した上で見送ることとした」 ⇒ 組織再編を時期尚早と判断?

(4)「100字以内」 ⇒ 100字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

(1)与件文から要因を拾う

※1. 与件文の第十段落「組織再編を経営コンサルタントの助言を熟考した上で見送ることとした」⇒ 時期尚早?

※2. 与件文の第六段落 「コストカットした部分を成果に応じて支払う賞与に回すことが可能になった」⇒ 成果主義の導入はこれから

※3. 与件文の第七段落 「新規事業の基盤が徐々に固まってきた。」⇒ 新規事業は導入期

※4. 与件文の第九段落 「それまでA社ではアプローチすることのできなかったさまざまな市場との結びつきもできた」⇒ 与件文の第七段落「ターゲット市場の絞り込みはこれから」戦略も未確定組織は戦略に従うため組織も未確定

※5. 与件文の第九段落「営業部隊のプレゼンテーションが功を奏したことは否めない事実」⇒ 提案営業も試行錯誤の段階

※6. 与件文の第十段落「再生に向けて経営改革に取り組むA社の組織は、本社内に拠点を置く製造部、開発部、総務部と全国7地域を束ねる営業部が機能別に組織されており、営業を主に統括するのが副社長、開発と製造を主に統括するのが専務、そして大所高所からすべての部門にA社長が目配りをする体制」⇒ 機能別組織のデメリットよりメリットが大きい?

(2) 機能別組織のメリット

※1. 経営機能ごとに編成されているため、スキルや知識の共有化が容易で専門性が高まる

※2. すべての決定権がトップに集中するのでまとめやすくぶれにくい

(3) 機能別組織のデメリット

※1. 機能部門間の調整機能がトップに集中するため、会社の規模が大きくなると機能しづらい ⇒「大所高所からすべての部門にA社長が目配りをする体制」がまだ必要 ⇒ 組織の意識改革とスキルアップが優先課題であるため、トップダウン的な取り組みが必要

※2. 事業責任がトップに集中し、機能部門の責任が不透明になる組織の意識改革とスキルアップが優先課題であるため、トップダウン的な取り組みが必要

※3. 解答例(98文字)⇒ 経営機能ごとに編成された機能別組織では、スキルや知識の共有化が容易で各部門の専門性を向上できるため、組織の意識改革とスキルアップを急ぐ必要から、すべての決定権がA社長に集中する現体制が有益である。

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