中小企業診断士二次試験事例3(令和01)問2

与件文(問題文)はこちら

第2問(配点20点)

自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面での効果とリスクを100字以内で述べよ。

解答上の留意点

(1)「自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面での効果」 ⇒ QCD?品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)への効果?

(2)「自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面でのリスク」 ⇒ 4M?Man(人)、Material(材料)、Method(方法)、Machine(機械)の課題?

(3)「100字以内」

解答の手順

※1. 効果

(1) 与件文の第五段落「C社の工場は、熱処理工場と機械加工工場がそれぞれ独立した建屋になっている。熱処理工場は、熱処理方法が異なる熱処理炉を数種類保有し、バッチ処理されている。機械加工工場では、多品種少量の受注ロット生産に対応するため、加工技能が必要なものの、切削工具の交換が容易で段取り時間が短い汎用の旋盤、フライス盤、研削盤がそれぞれ複数台機能別にレイアウトされている。」 ⇒

(2) 与件文の第六段落「熱処理は、加熱条件や冷却条件等の設定指示はあるものの、金属材料の形状や材質によって加熱・冷却温度や速度などの微調整が必要となる。そのため金属熱処理技能検定試験に合格し技能士資格をもつベテラン作業者を中心に作業が行われ品質が保持されている。また、機械加工も汎用機械加工機の扱いに慣れた作業者の個人技能によって加工品質が保たれている。」 ⇒

(3) 与件文の第十段落「その内容は、自動車部品専用の熱処理設備で加工しているX社の全ての部品の機械加工であり、C社では初めての本格的量産機械加工になる。受託する金属部品は、寸法や形状が異なる10種類の部品で、加工工程は部品によって異なるがそれぞれ5工程ほどの機械加工となり、その加工には、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械が必要になる。この受託生産に応える場合、機械加工部門の生産量は現在の約2倍になると予想され、現状と比較して大きな加工能力を必要とする。」 ⇒

(4) 与件文の第十一段落「また、この機械加工の受託生産の実施を機会に、X社で運用されている後工程引取方式を両社間の管理方式として運用しようとする提案がX社からある。具体的運用方法は、X社からは3カ月前に部品ごとの納品予定内示があり、1カ月ごとに見直しが行われ、納品3日前にX社からC社に届く外注かんばんによって納品が確定する。これら納品予定内示および外注かんばんは、通信回線を使用して両社間でデータを交換する計画である。」 ⇒

(5) 与件文の第十二段落「外注かんばんの電子データ化などのシステム構築は、X社の全面支援によって行われる予定となっているが、確定受注情報となる外注かんばんの社内運用を進めるためには、C社内で生産管理の見直しが必要になる。この後工程引取方式は、X社自動車部品の機械加工工程および自動車部品専用の熱処理工程に限定した運用範囲とし、その他の加工品については従来同様の生産計画立案と差立方法で運用する計画である。」 ⇒

※2. リスク

(1) 与件文の第七段落「生産プロセスは、受注内容によって以下のようになっている。

・機械加工を伴う受注:材料調達→機械加工→熱処理加工→出荷検査

・熱処理加工のみの受注:部品受入→熱処理加工→出荷検査」 ⇒

(2) 与件文の第八段落「生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案されるが、機械加工を伴う受注については熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される。両部門とも受注生産であることから、納期を優先して月ごとに日程計画を作成し、それに基づいて日々の作業が差立てされる。納期の短い注文については、顧客から注文が入った時点で日程計画を調整、修正し、追加される。機械加工受注品に使用される材料の調達は、日程計画が確定する都度発注し、加工日の1週間前までに納品されるように材料商社と契約しており、材料在庫は受注分のみである。」 ⇒

(4) 与件文の第十二段落「外注かんばんの電子データ化などのシステム構築は、X社の全面支援によって行われる予定となっているが、確定受注情報となる外注かんばんの社内運用を進めるためには、C社内で生産管理の見直しが必要になる。この後工程引取方式は、X社自動車部品の機械加工工程および自動車部品専用の熱処理工程に限定した運用範囲とし、その他の加工品については従来同様の生産計画立案と差立方法で運用する計画である。」 ⇒

※3. 解答例

解答例(100/100文字)⇒ 効果は、大量生産による生産効率の改善が期待できること、量産機械加工の方法及びその管理方式を学べることである。リスクは、量産化と品質保持を実現できる生産能力を既存の生産方式と新方式で両立できるかである。

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