中小企業診断士二次試験事例2(平成29)問1

与件文(問題文)はこちら

第1問(配点20点)

 B 社について、現在の(a)自社の強みと(b)競合の状況をそれぞれ60 字以内で説明せよ。

解答上の留意点

(1)「現在の(a)自社の強みと(b)競合の状況」⇒ 3C分析?

(2)「それぞれ60 字以内で説明」 ⇒ 各60字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. 現在の(a)自社の強みと(b)競合の状況をそれぞれ説明

(1) 与件文の第一段落「B 社は資本金1,000 万円、社員3名、パート3名の寝具小売業である。創業以来、地方都市X 市の商店街に1階と2階を合わせて300㎡強の売場の1店舗を構えている。B 社は1955 年に現社長の父親が創業し、1970 年に現社長とその夫人である副社長が事業を継承した。品揃えは、布団、ベッド、マットレス、ベビー布団、ベビーベッド、介護ベッド、布団カバー、枕、パジャマなどである。B 社は寝具類のボランタリー・チェーンに加盟し、商品は同本部から仕入れている。B 社のこだわりは接客にある。睡眠状況を聞きながら商品を薦めるという、現社長が始めた接客は、多くの顧客の信頼を得ている。また趣味の裁縫、刺繍の技術を生かして、副社長が作った小物入れやトートバッグなどのノベルティも人気があり、それを目当てに来店する顧客がいるほどである。」 ⇒ 広い売場、豊富な品揃え、接客対応に対する信頼性の高さ、刺繍のノベリティが人気

(2) 与件文の第六段落「井戸端会議はB 社が潜在的な顧客ニーズを収集する場でもあった。2010 年のある日、井戸端会議で「買い物のために県庁所在地の百貨店まで出かけたのに、欲しいものがなかったときは体力的、精神的につらい」ということが話題になり、多くのメンバーがその意見に賛同した。その頃、B 社には、ボランタリー・チェーン本部から外出用を主とする婦人服の予約会(注)を実施しないか、という打診があった。同チェーンは近年、加盟店活性化のために、寝具に加えて婦人服、婦人用ハンドバッグ、宝飾品の仕入および販売を強化していた。開催には登録料を払う必要があり、長年寝具一筋でやってきた現社長は婦人服が売れるイメージが湧かず、当初は断る予定であった。しかし、井戸端会議の話を聞き、打診を受け入れた。期間中は店舗2階の売場を整理し、試着室を設け、臨時イベントスペースとした。ただし、スペースはそれほど広くないため、日頃の交流を通じて、顧客の好みをよく把握している副社長が品揃えを厳選した。予約会には井戸端会議のメンバーが多数来店し、時間によっては顧客が会場に入れないほどであった。好評を得た予約会は、継続を望む声があり、開始から既に数年が経過している現在もシーズンごとの予約会の売り上げは落ちずにいる。現在の年間売り上げに占める割合はおおよそ寝具70 %、婦人服25 %、日用品5%となっている。」 ⇒ 井戸端会議で潜在的な顧客ニーズを収集

(3) 与件文の第九段落「現在も休憩コーナーに人が集うが、シルバー世代の顧客の多くはやがて介護をされる側の立場となり、確実に減少する。今後の対応を考えるべく次期社長は、大型スーパーの寝具売場を視察した。視察を通じて、高品質な商品が少ないこと、従業員がほとんどおらず、十分な説明もできないことが分かった。そこで、次期社長は保育園の入園準備を通じて知り合った子育て世代向けに「親と子の快眠教室」という月1回のイベントを開催し、親の快眠と子供を寝かしつける工夫についての教室を開始した。教室の参加者は、後日顧客として来店するようになりつつある。」 ⇒ 競合の大型スーパーは、高品質な商品が少ない、従業員不足、説明不充分

※2. 解答例(59〜60文字/各60文字)⇒

(a)広い売場、豊富な品揃え、信頼される接客対応、刺繍ノベリティの人気の高さ井戸端会議での潜在的顧客ニーズの収集力が強み。

(b)幹線道路沿いの大型スーパーは、若年層に人気だが高品質な商品が少なく、従業員不足のため来店客への説明が不充分な状態である。

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