中小企業診断士二次試験事例2(平成29)問2

与件文(問題文)はこちら

第2問(配点25点)

 B 社はボランタリー・チェーン本部から新たに婦人用ハンドバッグの予約会の開催を打診された。B 社は現在のデータベースを活用しながら、この予約会を成功させようと考えている。そのためには、どのような施策を行うべきか。120 字以内で助言せよ。

解答上の留意点

(1)「ボランタリー・チェーン本部から新たに婦人用ハンドバッグの予約会の開催を打診」⇒

(2)「現在のデータベースを活用しながら、この予約会を成功させようと考えている⇒ 井戸端会議のメンバー中心?

(3)「120 字以内で助言」 ⇒ 120字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. 現在のデータベースを活用しながら、この予約会を成功させるための施策

(1) 与件文の第六段落「井戸端会議はB 社が潜在的な顧客ニーズを収集する場でもあった。2010 年のある日、井戸端会議で『買い物のために県庁所在地の百貨店まで出かけたのに、欲しいものがなかったときは体力的、精神的につらい』ということが話題になり、多くのメンバーがその意見に賛同した。その頃、B 社には、ボランタリー・チェーン本部から外出用を主とする婦人服の予約会(注)を実施しないか、という打診があった。同チェーンは近年、加盟店活性化のために、寝具に加えて婦人服、婦人用ハンドバッグ、宝飾品の仕入および販売を強化していた。開催には登録料を払う必要があり、長年寝具一筋でやってきた現社長は婦人服が売れるイメージが湧かず、当初は断る予定であった。しかし、井戸端会議の話を聞き、打診を受け入れた。期間中は店舗2階の売場を整理し、試着室を設け、臨時イベントスペースとした。ただし、スペースはそれほど広くないため、日頃の交流を通じて、顧客の好みをよく把握している副社長が品揃えを厳選した。予約会には井戸端会議のメンバーが多数来店し、時間によっては顧客が会場に入れないほどであった。好評を得た予約会は、継続を望む声があり、開始から既に数年が経過している現在もシーズンごとの予約会の売り上げは落ちずにいる。現在の年間売り上げに占める割合はおおよそ寝具70 %、婦人服25 %、日用品5%となっている。」 ⇒ 井戸端会議のメンバーがターゲット。品揃えを厳選するため、データベースを活用。婦人服とのコーディネートを提案したカタログで案内。

(2) 与件文の第十二段落「  (注)主にアパレル業界で行われるイベント。顧客が会場でサンプルを確認、試着し、気に入ったものがあれば商品を予約できる。商品の引き渡しと支払いは後日行う。」 ⇒

(3) 与件文の第十段落「B 社にとってシルバー世代に関する店内の顧客台帳や現社長達の頭の中にある情報は貴重な無形資産である。次期社長はこれらの情報に容易にアクセスすることができるように情報のデータベース化を実施した。現社長が配達時に記録した住所、副社長が記録した寝具や婦人服の購買履歴と記憶した好みを、可能な限り文字と画像にして、簡易型データベースに登録した。データベースはリピーターである重要顧客からなる100 件強の小規模なものであるが、 1件の情報は非常に詳細なものとなった。しかし、活用方法は見いだせずにおり、課題となっている。」 ⇒ 住所、副社長が記録した寝具や婦人服の購買履歴と記憶した好みを、可能な限り文字と画像にして、簡易型データベースに登録

(4) 与件文の第八段落「次期社長は保育士の勤務経験があり、保育園ごとの昼寝用布団、手作りで用意する手さげカバンのサイズなどに関するルールを詳しく知っていた。ある日、井戸端会議メンバーの世代(以下、「シルバー世代」という)の顧客に、孫の入園準備のアドバイスをし、感謝されたことがあった。それをきっかけに、シルバー世代の子供世代(以下、「子育て世代」という)の顧客が入園準備のアドバイスと商品を求め、来店するようになった。」 ⇒ 子育て世代を同伴させた場合の割引案内

※2. 解答例(101文字/100文字)⇒ シルバー世代と子育て世代を標的に、DMで予約会の告知とデータベースから得られた好みの婦人服と合いそうな婦人用ハンドバッグのカタログと子育て世代を同伴した場合の割引券を同封して客単価を上げる施策を講じる。

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