中小企業診断士二次試験事例3(令和02)問1

与件文(問題文)はこちら

第1問(配点20点)

 C 社の⒜強みと⒝弱みを、それぞれ40 字以内で述べよ。

解答上の留意点

(1)「C 社の⒜強みと⒝弱み」⇒ (a)問4からモニュメント製品事業か?(b)は問2から納期遅延か?

(2)「各40字以内」 ⇒ 各40字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. C 社の⒜強みと⒝弱み

(1) 与件文の第二段落「C 社が受注しているビル建築用金属製品の主なものは、出入口の窓枠やサッシ、各種手摺、室内照明ボックスなどで、特別仕様の装飾性を要求されるステンレス製品である。またモニュメント製品は、作家(デザイナー)のデザインに従って製作するステンレス製の立体的造形物である。どちらも個別受注製品であり、C 社の工場建屋の制約から設置高さ7 m 以内の製品である。主な顧客は、ビル建築用金属製品については建築用金属製品メーカー、モニュメント製品についてはデザイナーである。」 ⇒ S:特別仕様の装飾性を要求されるステンレス製品 W:工場建屋の制約から設置高さ7 m 以内の製品

(2) 与件文の第三段落「創業時は、サッシ、手摺など建築用金属製品の特注品製作から始め、特に鏡面仕上げなどステンレス製品の表面品質にこだわり、溶接技術や研磨技術を高めることに努力した。その後、ビル建築内装材の大型ステンレス加工、サイン(案内板)など装飾性の高い製品製作に拡大し、それに対応して設計技術者を確保し、設計から製作、据付工事までを受注する企業になった。」 ⇒ S:設計から製作、据付工事までを受注する企業

(3) 与件文の第七段落「受注、設計、据付工事施工管理は営業部が担当する。顧客から引き合いがあると、受注製品ごとに受注から引き渡しに至る営業部担当者を決め、顧客から提供される設計図や仕様書などを基に、製作仕様と納期を確認して見積書を作成・提出し、契約締結後、製作図および施工図を作成して顧客承認を得る。通常、製作図および施工図の顧客承認段階では、仕様変更や図面変更などによって顧客とのやりとりが多く発生する。特にモニュメント製品では、造形物のイメージの摺合わせに時間を要する場合が多く、図面承認後の製作段階でも打ち合わせが必要な場合がある。設計には2 次元CAD を早くから使用している。」 ⇒ W:製作図および施工図の顧客承認段階では、仕様変更や図面変更などによって顧客とのやりとりが多く発生する。特にモニュメント製品では、造形物のイメージの摺合わせに時間を要する場合が多く、図面承認後の製作段階でも打ち合わせが必要な場合がある。設計には2 次元CAD を早くから使用している。

(4) 与件文の第九段落「契約から製品引き渡しまでのリードタイムは、平均約2 か月である。最終引き渡し日が設定されているが、契約、図面作成、顧客承認までの製作前プロセスに時間を要して製作期間を十分に確保できないことや、複雑な形状など高度な加工技術が必要な製品などの受注内容によって、製作期間が生産計画をオーバーするなど、納期の遅延が生じC 社の大きな悩みとなっている。」 ⇒ W:納期の遅延が生じC 社の大きな悩み

(5) 与件文の第十一段落「製作工程は切断加工、曲げ加工、溶接・組立、研磨、最終検査の5 工程である。切断加工工程と曲げ加工工程はNC 加工機による加工であり、作業員2 名が担当している。溶接・組立工程と研磨工程は溶接機や研磨機を用いた手作業であり、4 班の作業チームが受注製品別に担当している。この作業チームは1 班5 名で編成され、熟練技術者が各班のリーダーとなって作業管理を行うが、各作業チームの技術力には差があり、高度な技術が必要な製作物の場合には任せられない作業チームもある。」 ⇒ W:各作業チームの技術力には差がある

(6) 与件文の第十二段落「ビル建築用金属製品は切断加工、曲げ加工、溶接・組立までは比較的単純であるが、その後の研磨工程に技術を要する。また、モニュメント製品は立体的で複雑な曲線形状の製作が多く、全ての工程で製作図の理解力と高い加工技術が要求される。ビル建築用金属製品は製作完了後、製造部長と営業部の担当者が最終検査を行って、出荷する。モニュメント製品は、デザイナーの立ち会いの下、最終検査が行われ、この際デザイナーの指示によって製品に修整や手直しが生じる場合がある。」 ⇒ W:モニュメント製品は、デザイナーの立ち会いの下、最終検査が行われ、この際デザイナーの指示によって製品に修整や手直しが生じる場合がある

(7) 与件文の第十三段落「生産計画は、製造部長が月次で作成している。月次生産計画は、営業部の受注情報、設計担当者の製品仕様情報によって、納期順にスケジューリングされるが、溶接・組立工程と研磨工程は加工の難易度などを考慮して各作業チームの振り分けを行いスケジューリングされる。C 社の製品については基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立しているとはいえない。」 ⇒ W:製品については基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立しているとはいえない

(8) 与件文の第十四段落「工場は10 年前に改築し、個別受注生産に適した設備や作業スペースのレイアウトに改善したが、最近の加工物の大型化によって狭隘な状態が進み、溶接・組立工程と研磨工程の作業スペースの確保が難しく、新たな製品の着手によって作業途中の加工物の移動などを強いられている。」 ⇒ W:溶接・組立工程と研磨工程の作業スペースの確保が難しく、新たな製品の着手によって作業途中の加工物の移動などを強いられている

(9) 与件文の第十五段落「製造部長は、全社的改善活動のテーマである納期遅延の問題点を把握するため、作業時間中の作業者の稼働状態を調査した。それによると、不稼働の作業内容としては、「材料・工具運搬」と「歩行」のモノの移動に関連する作業が多く、その他作業者間の「打ち合わせ」、営業部担当者などとの打ち合わせのための「不在」が多く発生していた。」 ⇒ W:不稼働の作業が多い

※2. 解答例(38〜41文字/各40文字)⇒ (a)設計から据付工事までの一貫受注ができることと溶接技術や研磨技術の高さである

(b)作業員の技術力や運営管理が標準化されず、不稼働や戻りの作業が多発し納期遅延が発生。

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