中小企業診断士二次試験事例3(令和02)問4

与件文(問題文)はこちら

第4問(配点20点)

 C 社社長は、付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている。モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか、中小企業診断士として120 字以内で助言せよ。

解答上の留意点

(1)「付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付け」⇒ 与件文の第五段落

(2)「モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか⇒ 技術力の向上、生産管理の効率化、受注拡大

(3)「120字以内」 ⇒ 120字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行う

(1) 与件文の第二段落「C 社が受注しているビル建築用金属製品の主なものは、出入口の窓枠やサッシ、各種手摺、室内照明ボックスなどで、特別仕様の装飾性を要求されるステンレス製品である。またモニュメント製品は、作家(デザイナー)のデザインに従って製作するステンレス製の立体的造形物である。どちらも個別受注製品であり、C 社の工場建屋の制約から設置高さ7 m 以内の製品である。主な顧客は、ビル建築用金属製品については建築用金属製品メーカー、モニュメント製品についてはデザイナーである。」 ⇒ 標的顧客はモニュメント作家。設置高さ7 m 以内の製品のみ受注化

(2) 与件文の第三段落「創業時は、サッシ、手摺など建築用金属製品の特注品製作から始め、特に鏡面仕上げなどステンレス製品の表面品質にこだわり、溶接技術や研磨技術を高めることに努力した。その後、ビル建築内装材の大型ステンレス加工、サイン(案内板)など装飾性の高い製品製作に拡大し、それに対応して設計技術者を確保し、設計から製作、据付工事までを受注する企業になった。」 ⇒ 設計から製作、据付工事までを一括受注可

(3) 与件文の第四段落「その後、3 代目である現社長は、就任前から溶接技術や研磨技術を生かした製品市場を探していたが、ある建築プロジェクトで外装デザインを行うデザイナーから、モニュメントの製作依頼を受けたことを契機として、特殊加工と仕上げ品質が要求されるステンレス製モニュメント製品の受注活動を始めた。」 ⇒ 特殊加工と仕上げ品質が要求されるステンレス製モニュメント製品の受注活動を始めた

(4) 与件文の第五段落「モニュメント製品は受注量が減少したこともあったが、近年の都市型建築の増加に伴い製作依頼が増加している。受注量の変動が大きいものの、全売上高の40 %を占め、ビル建築用金属製品と比較して付加価値が高いため、今後も受注の増加を狙っている。」 ⇒ モニュメント製品は都市型建築の増加に伴い製作依頼が増加、付加価値が高い

(5) 与件文の第九段落「契約から製品引き渡しまでのリードタイムは、平均約2 か月である。最終引き渡し日が設定されているが、契約、図面作成、顧客承認までの製作前プロセスに時間を要して製作期間を十分に確保できないことや、複雑な形状など高度な加工技術が必要な製品などの受注内容によって、製作期間が生産計画をオーバーするなど、納期の遅延が生じC 社の大きな悩みとなっている。」 ⇒ 高度な加工技術が必要な製品などの受注内容によって、製作期間が生産計画をオーバーするなど、納期の遅延が生じC 社の大きな悩み

(6) 与件文の第十四段落「工場は10 年前に改築し、個別受注生産に適した設備や作業スペースのレイアウトに改善したが、最近の加工物の大型化によって狭隘な状態が進み、溶接・組立工程と研磨工程の作業スペースの確保が難しく、新たな製品の着手によって作業途中の加工物の移動などを強いられている。」 ⇒ 工場は加工物の大型化によって狭隘な状態が増え、受注機会の消失、納期遅延のリスク増加

※2. 解答例(120/120文字)⇒ ①モニュメント製品の大型化に対応した作業スペースを確保し受注拡大を図る。②顧客情報を全社で共有し生産管理を標準化して作業の効率化とチーム間の平準化を図る。③全作業チームの溶接・組立工程や研磨工程の技術向上を図る。以上をデザイナーに訴求する。

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