中小企業診断士二次試験事例4(令和3)問3

与件文(問題文)はこちら

第3問(配点20 点)

D社は現在、新規事業として検討している魚種Xの養殖事業について短期の利益計画を策定している。

当該事業では、自治体からの補助金が活用されるため、事業を実施することによるD社の費用は、水槽等の設備や水道光熱費、人件費のほか、稚魚の購入および餌代、薬剤などに限定される。D社は当面スタートアップ期間として最大年間養殖量が50,000 kgである水槽を設置することを計画しており、当該水槽で魚種Xを50,000 kg 生産した場合の総経費は3,000万円である。また、この総経費に占める変動費の割合は60%、固定費の割合は40%と見積もられている。D社がわが国における魚種Xの販売実績を調査したところ、1kg当たり平均1,200円で販売されていることが分かった。

(設問 1 )

D社は、当該事業をスタートするに当たり、年間1,500万円の利益を達成したいと考えている。この目標利益を達成するための年間販売数量を求めよ(単位:kg)。なお、魚種Xの1kg当たり販売単価は1,200円とし、小数点以下を切り上げて解答すること。

解答上の注意点

(1)この目標利益を達成するための年間販売数量を求めよ(単位:kg)

(2)小数点以下を切り上げて解答

解答の手順

※1. 目標利益を達成するための年間販売数量

(1)当該水槽で魚種Xを50,000 kg 生産した場合の総経費は3,000万円である。また、この総経費に占める変動費の割合は60%、固定費の割合は40% 固定費 = 3000 × 0.4 = 1200 kg当たりの変動費 = 18000000円 ÷ 50000kg = 360円

(2)15000000円の利益 に必要な販売数量をgとすると ⇒ (1200 ー 360)× g ー 12000000 = 15000000 ⇒ 840g = 27000000 ⇒ g = 32142.857… ≒ 32143 kg

※2. 解答例

32143 kg

********************

(設問 2 )

D社は最適な養殖量を検討するため、D社の顧客層に対して魚種Xの購買行動に関するマーケティングリサーチを行った。その結果、魚種Xの味については好評を得たものの魚種Xがわが国においてあまりなじみのないことから、それが必ずしも購買行動につながらないことが分かった。そこでD社は魚種Xの販売に当たり、D社の商圏においては販売数量に応じた適切な価格設定が重要であると判断し、下表のように目標販売数量に応じた魚種Xの1kg当たり販売単価を設定することにした。

この販売計画のもとで、年間1,500万円の利益を達成するための年間販売数量を計算し、⒜欄に答えよ(単位:kg)。また、⒝欄には計算過程を示すこと。なお、最終的な解答では小数点以下を切り上げすること。

解答上の注意点

(1)設問1の解法を利用する

(2)15000000円の利益 を達成する販売数量をgとすると ⇒ (販売単価 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000

(3)最終的な解答では小数点以下を切り上げ

解答の手順

※1. この販売計画のもとで、年間1,500万円の利益を達成するための年間販売数量を計算

(2)販売単価1400円、販売数量をgとすると ⇒ (1400 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 25962 となり 目標販売数量を超過

(3)販売単価1240円、販売数量をgとすると ⇒ (1240 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 30682 となり 目標販売数量を超過

(4)販売単価1060円、販売数量をgとすると ⇒ (1060 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 38572 となり 目標販売数量内で達成可能

(5)販売単価860円、販売数量をgとすると ⇒ (860 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 54000 となり 目標販売数量を超過

※2. 解答例

⒜欄 38572単位:kg)

⒝欄 販売単価1400円、販売数量をgとすると ⇒ (1400 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 25962 となり 目標販売数量を超過

販売単価1240円、販売数量をgとすると ⇒ (1240 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 30682 となり 目標販売数量を超過

販売単価1060円、販売数量をgとすると ⇒ (1060 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 38572 となり 目標販売数量内で達成可能

販売単価860円、販売数量をgとすると ⇒ (860 ー 360)× g ー 12000000 ≧ 15000000 ⇒ g ≧ 54000 となり 目標販売数量を超過

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*

CAPTCHA