中小企業診断士二次試験事例1(平成29)問5

与件文(問題文)はこちら

第5問(配点20点)

「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして、A 社の存続にとって懸念すべき組織的課題を、中小企業診断士として、どのように分析するか。150 字以内で答えよ。

解答の留意点

(1)「第三の創業期」⇒※1の(1)と(4)

(2)「A 社の存続にとって懸念すべき組織的課題」⇒ 組織改革に必要な課題有能性の罠?

(3)「中小企業診断士の立場で助言」⇒ 経営者視点からの助言?

(4)「150字以内」 ⇒ 150字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. A 社の存続にとって懸念すべき組織的課題を分析

(1) 与件文の第八段落「 17 年の時を経て、共に苦労を乗り越えてきた戦友の多くが定年退職した A 社は、正に『第三の創業期』に直面しようとしているのである」 ⇒ 組織変革を迫られている事業の承継時期に直面

(2) 与件文の第七段落「売上高 30 億円というビジョンを達成するためには、全国の市場で戦うことのできる新商品の開発が不可避であるし、それを実現していくための人材の確保や育成も不可欠」 ⇒ 多角化戦略に舵を切れる人材の確保、育成

(3) 与件文の第一段落「A 社は、2000 年の創業以来、毎年数千万円単位の規模で売り上げを伸長させてきた」 ⇒ 有能性の罠に組織が陥っている

(4)与件文の第七段落「しかし、創業からおよそ 17 年の時を過ぎたとはいえ A 社の主力商品は、前身である X 社が築きあげてきた主力商品に依存しており、A 社が独自で創りあげたものではないことは事実である。かねてより目標として掲げてきた全国市場への進出の要件ともいうべき首都圏出店の夢もいまだにかなっているわけではない。」 ⇒ 組織改革の必要性を共有できていない

※2. 解答例(148/150文字)⇒ ビジョン達成のために全国の市場で戦うことのできる新商品の開発が不可避であるとの認識はあるが、有能性の罠に陥っているため、➀多角化戦略に舵を切れる人材の確保育成のために内外からの登用を行い、②組織変革を迫られている事業を円滑に承継していくために次世代の経営幹部社員を養成できるかが組織的課題である。

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