中小企業診断士二次試験事例1(平成30)問1

与件文(問題文)はこちら

第1問(配点20点)

研究開発型企業である A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から 100 字以内で答えよ。

解答の留意点

(1)「研究開発型企業」⇒ 研究開発投資によるシーズ(科学技術)の創出力は国際的強みだが、ニーズ(顧客、社会課題)としての事業化力は弱み (参考:日本版SBIR制度の見直しに向けた検討会第1回

(2)「相対的に規模の小さな市場をターゲットとしている…理由差別化集中戦略

(3)「競争戦略の視点から差別化集中戦略

(4)「100字以内」 ⇒ 100字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. 相対的に規模の小さな市場をターゲットとしている理由

(1) 与件文の第一段落「現在の A 社は電子機器開発に特化し、基本的に生産を他社に委託し、販売も信頼できる複数のパートナー企業に委託している、研究開発中心の企業である。この 10 年間は売上のおよそ 6 割を、複写機の再生品や複合機内部の部品、複写機用トナーなどの消耗品が占めている。そして、残りの 4 割を、同社が受託し独自で開発している食用肉のトレーサビリティー装置、業務用 LED 照明、追尾型太陽光発電システムなど、電子機器の部品から完成品に至る多様で幅広い製品が占めている」 ⇒ 与件文の第九段落「絶えず新しい技術を取り込みながら製品領域の拡大を志向してきた A 社にとって、人材は重要な経営資源であり、それを支えているのが同社の人事制度である。」 ⇒ 研究開発という強みに集中し、製品領域を拡大してきた

(2)与件文の第四段落「平成不況が長引く中で、A 社は存続をかけて、ニッチ市場に向けた製品を試行錯誤を重ねながら開発し、事業を継続してきた。」⇒ 製品領域が、大手が参入しづらいニッチ市場に適していると判断

※2. 解答例(100/100文字)⇒ 理由は、①規模の小さな市場を標的にすることで大手との競争を避け、②研究開発という強みを活かすことで差別化を図り、③ニッチ市場に集中することで、製品領域を拡大して一社依存を低減できると考えたからである。

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