中小企業診断士二次試験事例1(令和03)問2

与件文(問題文)はこちら

第2問(配点20点)

2 代目経営者は、なぜA社での経験のなかった3代目にデザイン部門の統括を任せたと考えられるか、100字以内で述べよ。

解答上の留意点

(1)「A社での経験のなかった3代目にデザイン部門の統括を任せたと考えられるか」⇒ 即戦力?後継者教育? ➡︎ 中途採用のメリット

(2)「100字以内」

解答の手順

※1. なぜA社での経験のなかった3代目にデザイン部門の統括を任せたと考えられるか

(1) 与件文の第六段落「図案の作成と顧客との接点となるコンサルティングの工程のみを社内に残し、顧客と版下職人、印刷工場を仲介し、印刷の段取りを決定して協力企業に対して指示を出し、各工程間の調整を専門に行うディレクション業務へと特化していった。」 ⇒ 図案の作成と顧客との接点となるコンサルティングの工程のみを社内に残し、ディレクション業務に活路を見出す

(2) 与件文の第七段落「2000年代に入ると、同社はデザインと印刷コンテンツのデジタル化に経営資源を投入し、とりわけ高精細画像のデータ化においてプログラミングの専門知識を持つ人材を採用し始めた。社内では、複数の事業案件に対してそれぞれプロジェクトチームを編成し、対応することとなった。具体的には、アートディレクターがプロジェクトを統括して事業の進捗を管理し、外部の協力企業を束ねる形で、制作工程を調整しディレクションする体制となった。」 ⇒ デザインと印刷コンテンツのデジタル化に経営資源を投入し、ディレクション体制を強化

(3) 与件文の第七段落「2000年代に入ると、同社はデザインと印刷コンテンツのデジタル化に経営資源を投入し、とりわけ高精細画像のデータ化においてプログラミングの専門知識を持つ人材を採用し始めた。社内では、複数の事業案件に対してそれぞれプロジェクトチームを編成し、対応することとなった。具体的には、アートディレクターがプロジェクトを統括して事業の進捗を管理し、外部の協力企業を束ねる形で、制作工程を調整しディレクションする体制となった。」 ⇒ アートディレクターがプロジェクトを統括して事業の進捗を管理し、外部の協力企業を束ねる形で、制作工程を調整しディレクションする体制を整備

(4)与件文の第八段落「広告代理店に勤務していた3代目が加わると、2代目は図案制作の工程を版下制作から独立させて、新たにデザイン部門を社内に発足させ、3代目に部門の統括を任せた。3代目は、前職においてデザイナー、アーティストとの共同プロジェクトに参画していた人脈を生かし、ウェブデザイナーを2名採用した。こうした社内の人材の変化を受けて、紙媒体に依存しない分野にも事業を広げ、ウェブ制作、コンテンツ制作を通じて、地域内の中小企業が大半を占める既存の顧客に向けた広告制作へと業務を拡大した。」 ⇒ 3代目の広告代理店勤務の経験と人脈を活かしてデザイン部門の新設という組織変革を早期に実現させ、デジタルコンテンツを駆使したディレクション業務で広告制作市場に進出すると同時に次代の経営者教育を実施した

※2. 解答例(100文字/100文字)⇒ 理由は、①外部人材登用でデザイン部門の新設という組織改革を早期に完了させ、②業務拡大に対応するため外部企業との協力体制を再構築しつつディレクション業務を強化し、③次代の経営者教育を実施するためである。

********************

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*

CAPTCHA