中小企業診断士二次試験事例1(令和03)問3

与件文(問題文)はこちら

第3問(配点20点)

A社は、現経営者である3代目が、印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大させていった。これは、同社にどのような利点と欠点をもたらしたと考えられるか、100字以内で述べよ。

解答上の留意点

(1)「現経営者である3代目が、印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大⇒ 事業ドメイン拡大のメリット・デメリット

(2)「どのような利点と欠点をもたらした」 ⇒ ドメインの再定義(誰に、何を、どのように)から解答を絞る

(3)「考えられるか」⇒ 与件文&推論

(4)「100字以内」 ⇒ 100字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. 現経営者である3代目が、印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大させたことで、同社にどのような利点と欠点をもたらしたと考えられるか

(1) 与件文の第八段落「3代目は、前職においてデザイナー、アーティストとの共同プロジェクトに参画していた人脈を生かし、ウェブデザイナーを2名採用した。こうした社内の人材の変化を受けて、紙媒体に依存しない分野にも事業を広げ、ウェブ制作、コンテンツ制作を通じて、地域内の中小企業が大半を占める既存の顧客に向けた広告制作へと業務を拡大した。」⇒ 紙媒体に依存しないウェブ制作、コンテンツ制作を通じて、既存顧客向けに広告制作業務を拡大した

(2) 与件文の第八段落「新たな事業の案件を獲得していくことは難しかった。とりわけ、こうした新たな事業を既存の顧客に訴求するためには、新規の需要を創造していくことが求められた。また、中小企業向け広告制作の分野においては、既に数多くの競合他社が存在しているため、非常に厳しい競争環境であった。さらに新規の市場を開拓するための営業に資源を投入することも難しいために、印刷物を伴わない受注を増やしていくのに大いに苦労している。」⇒ 競争環境が厳しい。新規需要の開拓が営業資源不足で困難。

(3) 与件文の第九段落「新規のデザイン部門と既存の印刷部門はともに、サプライチェーンの管理を担当し、デザインの一部と、製版、印刷、加工に至る全ての工程におけるオペレーションは外部に依存している。必要に応じて外部のフォトグラファーやイラストレーター、コピーライター、製版業者、印刷職人との協力関係を構築することで、事業案件に合わせてプロジェクトチームが社内に形成されるようになった。」⇒ 新旧両部門とも外部企業の支援を共有し、事業案件をプロジェクトチーム方式で対応。

※2. 解答例(101文字/100文字)⇒ 利点は、紙媒体に依存しない広告制作で既存市場を拡大できたこと、外部と柔軟な協力関係を構築してディレクション能力を強化できたことであり、欠点は、競争環境が厳しく事態打開に営業資源を充分割けないことである。

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