中小企業診断士二次試験事例2(平成30)問1

与件文(問題文)はこちら

第1問(配点25点)

B 社の現状について、 3 C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から 150 字以内で述べよ。

解答上の視点

(1)「B 社の現状」⇒

(2)「3 C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から

(3)「150 字以内で述べよ」 ⇒ 150字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. B 社の現状について、 3 C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析

(1) 与件文の第二段落「歴代の社長たちは皆、芸術や文化への造詣が深く、執筆や創作のために長期滞在する作家や芸術家を支援してきた。このため、館内の廊下や共用スペースには、歴代の社長たちが支援してきた芸術家による美術品が随所に配置され、全体として小規模な施設ながらも文化の香りに満ちた雰囲気である。この中には、海外でも名の知られた作家や芸術家もいる。」 ⇒ 全体として小規模な施設ながらも文化の香りに満ちた雰囲:自社○

(2) 与件文の第三段落「B 社は創業時からちょうどこの中央に立地し、これらのエリアはいずれも徒歩圏内にある。B 社から最寄り駅までは公共バスを利用して 20 分強かかるが、現在、この間を結ぶバスは平均すると 1 時間に 5 ~ 6 本程度運行している。この最寄り駅からは国内線と国際線の離発着がある空港に向けて、毎日 7 往復の直通バスが走っており、駅から空港までの所要時間は 1時間 40 分ほどである。」 ⇒ X市のどこに行くにも便利:自社:○

(3) 与件文の第六段落「 X 市は大都市圏とも近く、電車で 2 時間程度の日帰りできる距離にある。古き良き時代の日本を感じさせる X 市の街のたたずまいは観光地として人気を集めている。2017 年時点で、X 市を訪れる観光客は全体で約 500 万人、このうち約 20 万人がインバウンド客である。商業地域には空き店舗があったが、観光客が回遊しそうな通り沿いの空き店舗には地元の老舗商店が出店して、シャッター通りにならないための協力体制を敷いた。食べ歩きできるスイーツや地域の伝統を思わせる和菓子などを販売し、街のにぎわい創出に努めた。歴史ある街並みに加え、こうした食べ物などは写真映えし、SNS 投稿に向く。そのため、ここ数年は和の風情を求めるインバウンド客が急増している(図参照)。」 ⇒ ここ数年は和の風情を求めるインバウンド客が急増:顧客:○

(4) 与件文の第七段落「館内に無料 Wi-Fi を導入し、B 社ホームページも開設した。これにより、それまで電話のみで受け付けていた宿泊予約も、ホームページから外国語でも受け付けられるようになった。また、最低限のコミュニケーションが主要な外国語で図れるよう、従業員教育も始めた。近々モバイル決済の導入も考えている。現在、宿泊客は昔なじみのビジネス客 8 割、インバウンド客 2 割であるが、なじみ客らは高齢化が進み、減少傾向にある。最寄り駅から距離のある B 社には、事前に予約のない客が宿泊することはほとんどない。」 ⇒ 宿泊客は昔なじみのビジネス客 8 割、インバウンド客 2 割であるが、なじみ客らは高齢化が進み、減少傾向:顧客×

(5) 与件文の第八段落「B 社から距離の離れた駅前にはチェーン系ビジネスホテルが 2 軒ほどあるが、X 市市街地中心部には B 社以外に宿泊施設がない。かつては B 社と似たようなタイプの旅館もあったが、10 年以上前に閉鎖している。B 社周辺にある他の業種の店々は、拡大する観光需要をバネに、このところ高収益を上げていると聞く。B 社だけがこの需要を享受できていない状態だ。」 ⇒ B 社から距離の離れた駅前にはチェーン系ビジネスホテルが 2 軒ほどあるが、X 市市街地中心部には B 社以外に宿泊施設がない。:競合…いない?

※2. 解答例(151文字/150文字)⇒ ①顧客は、馴染みのビジネス客が減少しているが、市内へのインバウンド観光客は十年前から急増中。②競合は、好立地のチェーン系ビジネスホテルだが、外国語に堪能な職員の配置、ネットでの宿泊予約、Wi-Fi設置等で対抗。③自社は、有名芸術家の美術品等で和の風情を堪能できる施設だが、観光需要の獲得は不充分な状態。

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