中小企業診断士二次試験事例2(平成29)問4

与件文(問題文)はこちら

第4問(配点25点)

 B社は今後、シルバー世代以外のどのセグメントをメイン・ターゲットにし、どのような施策を行うべきか。図を参考に、120 字以内で助言せよ。

解答上の留意点

(1)「今後、シルバー世代以外のどのセグメントをメイン・ターゲットにし」⇒ 事業ドメインの変更。標的顧客の変更

(2)「どのような施策を行う⇒ ?

(3)「図を参考に、120 字以内で助言」 ⇒ 120字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. 今後、シルバー世代以外のどのセグメントをメイン・ターゲットにし、どのような施策を行うべきか、図を参考に助言

(1) 与件文の図表から ⇒ 10歳未満と30代が多い

(2) 与件文の第二段落「 現在のX 市の人口は緩やかな減少傾向にある。そして、年齢分布は図のようになっている。X 市の主要産業は農業とガラス製品生産である。市内にはガラス製品の大小工場が林立し、多くの雇用を創出している。2000 年に大規模工場の一部が海外移転し、市内経済の衰退が見られたが、近年は中小工場の若手経営者の努力により、市内経済は回復傾向にある。2000 年頃の一時期は若年層の住民が県庁所在地に転居することが多かった。これに対してX 市役所は若年層の環流を図り、子育てに関する行政サービスを充実させた。また、ここ数年は建築業も好調である。2世帯同居が減少し、核家族世帯のための建築需要が増えている。加えて、介護のための改装も増加している。」 ⇒ 子育てに関する行政サービスを充実させた。核家族世帯のための建築需要が増えている

(3) 与件文の第五段落「 2000 年代以降、若年層住民の大半が大型スーパーで買い物をするようになり、B社の来店客数も大幅に減った。時間を持て余した副社長は、手のあいた飲食店経営者を集め、休憩コーナーで井戸端会議をし始めた。次第に人の輪が広がり、午前は引退した小売店経営者、昼過ぎは飲食店の経営者やスタッフ、夕方は工場関係者が集うようになった。定休日には一緒にバス旅行や映画に出かけ、交流を深めた。当然、日々集まる井戸端会議メンバーがそれほど頻繁に寝具を買うわけではないが、寝具の買い替えがあればほぼB 社で購入している。また、他の小売店が閉店した2000 年代以降に、化粧品、せっけん等のこだわりの日用品販売を引き継いだ。これらが店内にあるのを見て、井戸端会議メンバーが購入し、リピートする例も多い。寝具は購買間隔が長く、顧客との接点が切れやすいが、日用品は購買間隔が短いので、B 社が顧客との継続的な接点を作りやすくなった。」 ⇒ 休憩コーナーに集まる人脈を利用して、地域の繁栄を共同で考え実行する場とする。

(4) 与件文の第九段落「現在も休憩コーナーに人が集うが、シルバー世代の顧客の多くはやがて介護をされる側の立場となり、確実に減少する。今後の対応を考えるべく次期社長は、大型スーパーの寝具売場を視察した。視察を通じて、高品質な商品が少ないこと、従業員がほとんどおらず、十分な説明もできないことが分かった。そこで、次期社長は保育園の入園準備を通じて知り合った子育て世代向けに「親と子の快眠教室」という月1回のイベントを開催し、親の快眠と子供を寝かしつける工夫についての教室を開始した。教室の参加者は、後日顧客として来店するようになりつつある。」 ⇒ 子育て世代を対象にしたイベントを定期的に開催して、子育てに関する行政サービス、核家族向けの建築プランなどの説明会を関係者と共同で行い、地域の繁栄を地域全体で実施する場を提供する。

※2. 解答例(120/120文字)⇒ 30代の子育て世代を標的顧客とし、①休憩コーナーに集まる子育て世代の潜在的な顧客需要を探り、②行政サービスや建築情報説明会などのイベントを関係組織の協力を得て定期的に行い、顧客需要への対応を共同で行う機会を提供することで地域の繁栄に繋げる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*

CAPTCHA