中小企業診断士二次試験事例3(平成30)問5

与件文(問題文)はこちら

第5問(配点20点)

わが国中小製造業の経営が厳しさを増す中で、C 社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略について、中小企業診断士として 120 字以内で助言せよ。

解答上の留意点

(1)「わが国中小製造業の経営が厳しさを増す中」⇒ SWOTのT

(2)「C 社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略⇒ SとO

(3)「120 字以内で助言」 ⇒ 120字を超えてはいけないことに注意

解答の手順

※1. C 社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略

(1) 与件文の第三段落「C 社は、住工混在地域に立地していたが、1980 年、C 社同様の立地環境にあった他の中小企業とともに高度化資金を活用して工業団地に移転した。この工業団地には、現在、金属プレス加工、プラスチック加工、コネクター加工、プリント基板製作などの電気・電子部品に関連する中小企業が多く立地している。」 ⇒ O:C社事業に関連する中小企業が工業団地に多く立地

(2) 与件文の第五段落「こうした顧客企業の動向に対応した方策として、C 社では金型設計と金型製作部門を新設し、製品図面によって注文を受け、金型の設計・製作から成形加工まで対応できる体制を社内に構築した。また、プラスチック成形や金型製作にかかる技能士などの資格取得者を養成し、さらに OJT によってスキルアップを図るなど加工技術力の強化を推進してきた。このように金型設計・製作部門を持ち、技術力を強化したことによって、材料歩留り向上や成形速度の改善など、顧客企業の成形加工品のコスト低減のノウハウを蓄積することができた。」 ⇒ S:金型の設計・製作から成形加工まで対応できる一貫受注体制を社内に構築。加工技術力の強化。コスト低減のノウハウを蓄積

(3) 与件文の第六段落「 C 社が立地する工業団地の中小企業も大手電気・電子部品メーカーを顧客としていたため、C 社同様工業団地に移転後、顧客企業の工場の海外移転に伴い経営難に遭遇した企業が多い。そこで工業団地組合が中心となり、技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発の実施などお互いに助け合い、経営難を乗り越えてきた。C 社は、この工業団地組合活動のリーダー的存在であった。」 ⇒ O:工業団地組合が中心となり、技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発の実施などお互いに助け合い、経営難を乗り越えてきた。

(4) 与件文の第八段落「 最近 C 社は、成形加工の際に金属部品などを組み込んでしまう成形技術(インサート成形)を習得し、古くから取引のある顧客企業の 1 社からの受注に成功している。それまで他社の金属加工品と C 社の成形加工品、そして顧客企業での両部品の組立という 3 社で分担していた工程が、C 社の高度な成形技術によって金属加工品を C社の成形加工で組み込んで納品するため、顧客企業の工程数の短縮や納期の短縮、そしてコスト削減も図られることになる。」 ⇒ S:顧客企業の工程数の短縮や納期の短縮、そしてコスト削減も図られる

※2. 解答例(117/120文字)⇒ ①組合という地域資源を組合員全員で享受できるよう、共同受注や共同開発を先導し、既存市場の拡大や新規市場への進出を図り、②一貫受注体制や整形技術を活かして顧客企業の工数や納期の短縮、そしてコスト削減して市場における競争優位性を確立する。

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